49年前の証拠探し

土地の境界を測量するとき、境界を確認するための資料が必要となります。

主なものとして、法務局に備え付けられている「地図」がありますが、

一概に「地図」と言っても、色々あります。

地籍図、土地改良所在図、区画整理所在図、旧土地台帳附属地図 etc…

 

その中で現在、岩手県の「地図」の多くは、国土調査による地籍図です。

国土調査は、昭和37年から進められた事業で、現在も継続されています。

とは言え、一度、国土調査が終わった場所をもう一度調査・測量することはないので、

場所によっては、昭和30年代、40年代の「地図」を現在も使用することになります。

 

今回は、昭和44年に作成された「地図」(地籍図)の測量のために、

昭和42年に設置された「図根点」を探索しました。

「図根点」とは、国土調査で設置する測量の基準点のことです。

 

昭和40年代は、プラスチックのような安価な境界杭がない時代で、

コンクリートの製造技術も現在とは異なります。

 

何が言いたいかと言いますと、

この当時の境界を示すものが現地には、

ほとんどない、残っていないということです。

 

もちろん、測量技術も現在とは異なります。

図根点の測量は、鋼巻尺とトランシット。
土地境界の測量は、平板測量。コンパス測量。

現在は、人工衛星を使ったGNSS測量や光波(レーザー)によるTS測量。

 

なので、当時に作成された「地図」は誤差や歪みがあるものです。

如何にして、その誤差や歪みを取り除き、境界を確認するか。

その当時から、現地に残っている「証拠」は何か。

 

昭和40年代の図根点は、ほとんどが木杭で、ほとんどが腐蝕して残っていません。

しかし、所々には、石、コンクリートの杭が設置されていて、今も在る可能性が有るのです。

ところがしかし、可能性が有る図根点が在るところは、所々で広範囲。

 

つまりは探すのに、ものすごく手間と労力がかかります。

 

さて、前置きが長くなりました。

現在では、図根点を探し、その位置座標を測量するために、

ネットワーク型RTK-GNSS測量(VRS)」を行います。

作業風景は、このような感じです。

160920_1

160920_2

 

人工衛星からの電波を受信し、
近傍の電子基準点を基に補正された位置情報をコントローラー端末で受信することで
自分の位置座標と探したい位置座標が即時に判明。

ざっくり言うと、数cmレベルのGPSナビゲーターみたいなものです。

 

こうして探してみる、と。

160920_3

 

見つけました。

今から49年前の、貴重な「証拠」発見です。

 

境界の測量は、時として、このような作業を必要とすることがあります。

それは、みなさんの財産である不動産「土地」の境界を安心できるものにしたいから。

そのための最善を尽くして、誠心誠意、測天量地に励みます。