2006.11.13 登記基準点からの登記測量 2/4

第5回国際地籍シンポジウム/土地家屋調査士全国大会 in Kyoto
岩手県土地家屋調査士会 下斗米光昭

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5. GPS登記多角点について

岩手県は山間部が多く、業務が殆ど発生しないような地域については1級を整備する必要がないと考え、電子基準点・0級から3級と同等のGPS登記多角点を設置できる規定を設けた。

登記基準点・多角点についてフローチャートにまとめると図2のようになる。

図2_登記基準点・多角点フローチャート(2重線はGPS測量に限る)

図2 登記基準点・多角点フローチャート(2重線はGPS測量に限る)

 

 

6. 業務発生ごとの登記基準点の設置・作業方法

登記基準点はあくまでも一筆地測量をするための基準点である。

従って、2・3級については事前に整備しておく必要がないと考えた。
業務を受託した場合、現場に最も近い場所でGPS測量が可能なポイントを選点することに重点を置いた。

図3は3級から直接、一筆地測量ができる場合の作業方法の例である。
1級2点を与点とし、3級を2点設置し単路線方式によるGPS測量。
次に、3級からTS測量により、一筆地測量を行う。

図3_単路線方式(新点2点)

図3 単路線方式(新点2点)

 

図4は現場の近くにGPSの選点ポイントがない場合の作業方法の例である。
現場にできるだけ近い場所に3級を3~4点設置。
1級2点を与点とし、単路線方式によるGPS測量。
次に、TS測量により4級を行い、厳密網平均計算をする。
続いて4級から一筆地測量を行う。

図4_単路線方式(新点3点)

図4 単路線方式(新点3点)

 

図5は1級3点を与点とし、GPS 測量による結合多角方式で3級を設置する例である。

図5_結合多角方式(新点4点)

図5 結合多角方式(新点4点)

 

図6は業務発生ごとに3級を設置していった場合の配点予想図である。

図6_配点予想図

図6 配点予想図

 

 

7. 岩手協会社員への作業方法の伝達

研修会を開催し「登記基準点を使用した実務上の登記測量」の説明をした。

復元測量は日本測地系で!
確定測量は世界測地系で!

 

岩手県では国土調査が87%完了していて、昭和30年代~昭和50年代の古い地籍図が多い。

私たちは長年、これらの図面に接してきた中で、図根点の亡失により地籍図からの境界復元に苦慮してきた。

しかし、登記基準点を使用することで復元測量が容易にできるようになった。
その作業方法は、次のとおりである。

  1. 世界測地系でGPS測量による3級登記基準点測量
  2. 世界測地系でTS測量による4級登記基準点測量
  3. 3級を世界から日本にTKY2JGDで座標変換
  4. 4級を日本測地系で再計算
  5. 日本測地の4級登記基準点座標による図根点捜し及び現況測量
  6. 日本測地系で計算・現況点のプロット
  7. 法第14条第1項地図(地籍図)との重ね図作成
  8. 重ね図から筆界点をデジタイザーで読取
  9. 発見された図根点の座標比較
  10. 読取点座標に図根点の位置誤差(ズレ量)を補正
  11. 日本測地系で筆界点の復元・立会・境界杭設置
  12. 筆界確認後の観測地は世界測地系で計算

以上の作業をすることで、地籍図を精度の高い真の法第14条第1項地図に変えていくことができると考えた。

 

 

(page3 「8. 登記基準点管理規程の制定」へ)

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日本土地家屋調査士会連合会 会報「土地家屋調査士」2007.8月号46Pに掲載

https://www.chosashi.or.jp/media/200708kaiho.pdf

(URLをクリックするとPDFで閲覧できます。)