2006.11.13 登記基準点からの登記測量 3/4

第5回国際地籍シンポジウム/土地家屋調査士全国大会 in Kyoto
岩手県土地家屋調査士会 下斗米光昭

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8. 登記基準点管理規程の制定

岩手協会が受託した業務については全て3級を設置してから、一筆地測量をすることを義務付けた。

設置した登記基準点については登録を義務付け、登記基準点の整備・管理・運用に関する管理規程を定めた。
そして、登記基準点管理サーバーで一括管理している。

管理する登記基準点は1~3級とGPS登記多角点である。
1級については岩手協会の企画研修部の承認を得て整備すること、その他の登記基準点については基準点委員から成果の承認を受けて岩手協会のサーバーに登録することを規定した。

 

 

9. 基準点委員の役割

登記基準点を整備促進していく上で基準点委員が重要な役割を担っている。

基準点委員は各支所に複数名配置され、岩手協会が開催する基準点研修会で登録の仕方、GPSのセッションの組み方等の研修を受けた。

この基準点委員は登記基準点設置者から提出された平均図・観測図の確認・承認作業をし、観測・解析終了後の成果の確認・承認作業を行う。

精度に関しては、水平位置で25mm、標高で50mmを超える場合は岩手協会企画研修部長と協議し、原因を探求することを決めた。

現在まで4,500点余りの登記基準点が登録されているが、全てこの基準値を超えるものはない。

 

 

10. 1年後の登記基準点の設置状況

このようにしてスタートした登記基準点の平成16年3月末の設置状況は次のとおりである。

0級…73点
1級…329点
2級…28点
3級…489点
GPS登記多角点…2点

合計…921点

 

しかし、登記基準点の設置意義は全社員に行き届かなかった。

 

 

11.登記基準点の整備促進活動

研修会を開催し、登記基準点の設定の意義について説明し理解を求めた。

 

① 登録の進んでいる支所の状況

役員を中心に積極的に取り組み、公嘱事件のほか民間事件でも登記基準点を設置し登録していた。
また、GPS測量機は賃借しあい活用していた。

 

② 登録することのメリット
  • 登録することで重複測量を避けることができ、お互いに利用できるため、コストの削減に繋がること。
  • 基準点データの共有化により将来の紛争防止の役割を果たすこと。
  • 近くに登記基準点があれば民間事件でも利用できること。
  • 3級が増えればTS測量だけで一筆地測量が可能になり、GPS測量機を持たない社員も作業がし易くなること。

 

③ 遠くの電子基準点より近くの登記基準点

登記基準点の解析結果から地殻変動により電子基準点が動いていることが分かった。
電子基準点のデータは1997年1月1日に固定されたものであるが、登記基準点整備事業を実施した2002年の仮定三次元網平均計算に基づくベクトルの移動量から解明された。

このことから、電子基準点から直接測量した場合、地殻変動による電子基準点の移動量は筆界点に直接影響するものと考えられた。

しかし、近くの登記基準点を使用した場合は殆ど地殻変動による影響を受けないのではないかと考えた。

それは、1級の配点密度である5kmの狭い範囲では、地殻変動があったとしても登記基準点と筆界点が同じ方向に移動すると考えられるからである。

以上のことから、登記基準点を設置し、利用していくことを呼びかけた。

 

 

12. 2年後の登記基準点の設置状況

平成17年3月末の登記基準点の設置状況は次のとおりである

0級…73点
1級…401点
2級…66点
3級…1,228点
GPS登記多角点…12点

合計…1,780点

 

この頃になると県内全域に登記基準点の必要性の意識が高まってきて、全支所で登録が始まった。

 

 

(page4 「13. 不動産登記法の改正の影響」へ)

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日本土地家屋調査士会連合会 会報「土地家屋調査士」2007.8月号46Pに掲載

https://www.chosashi.or.jp/media/200708kaiho.pdf

(URLをクリックするとPDFで閲覧できます。)